Project.9
EXCHANGE ACTIVITIES
他研究室・他大学との交流活動
1. 熊野こどもだいがっこう

Workshop / Kumano / 2024~
三重県熊野市で開催されている「熊野こどもだいがっこう」に参画している。このスクールは、地元の製材業者「nojimoku」が主催し、子供が熊野の文化や自然環境を探求し、林業/漁業/建築の視点から地域を理解するための貴重な学びの場である。子供たちは、早稲田大学、三重大学、近畿大学の学生らが企画したフィールドワークプログラムを受講する。
2. 台湾・逢甲大学との学術交流

Discussion / 2025 / Taichung
呂耀中教授(逢甲大学)の案内のもと、西村幸夫教授(國學院大学)の研究グループと共に、公老坪の農村再生プロジェクトを視察した。地域住民/団体が主体となった景観保全や、観光果樹園としての再生プロセスについて現地視察を行った。また、逢甲大学建築学院の事業として推進されている「逢甲建築小書屋」プロジェクトについて、その運営内容の説明を受けた。台湾政府の政策が高齢者ケアに重点を置く中、大学側は政策の手が届きにくい「僻地の子供たちの学習環境・居場所づくり」に注力している。大学がプラットフォームとなり、卒業生や企業からの寄付・資材支援と、支援を必要とする地域をマッチングさせている。
3. 「住み方発見!! 展」トークセッション

Talk Session / Osaka / 2024
2024年12月2日から15日まで、大阪市中央区のギャラリー日本橋の家にて開催された展覧会「住み方発見!! 展」において、12月7日(土)14時から16時にギャラリートークが行われた。このトークセッションに、日常記憶地図のサトウアヤコ氏、滋賀県立大学准教授の川井操氏とともに登壇した。トークセッションでは、住経験インタビューの意義や、学生たちが取り組んだ約500件のインタビューから得られた知見について、意見交換を行った。このトークセッションを通じて、多様な住まいの形や暮らし方について深く考える機会をいただいた。
住経験インタビューとは?
住経験インタビューとは、個人がこれまで住んできた家やその場での暮らし方を、「間取り図」や「日々のエピソード」とともに丁寧に聞き取ることで、その人の「住経験」を物語として紡ぎ出す調査手法である。記録に残りにくい「普通」の住まい方や、世代や地域による生活の違い、住まいと人生の関係を多角的に理解できる。会話による半構造化インタビュー形式を使うことで、語り手自身も気づいていなかった記憶や側面を引き出し、親子間で実施すれば世代間の文化や経験の継承にもつながる。調査結果は「間取り図+物語」としてまとめられ、住環境の改善や研究教材として活用される点も魅力である。
4. AA School Workshop in Taiwan

Workshop / Taiwan / 2024~2025
2024年8月12日から25日にかけて、近畿大学の学生4名が逢甲大学と合同で開催されたAA Visiting School台湾「Urbanity from the Ocean: Invisible Cities」に参加し、私もゲストチューターとして参加した。このワークショップは、Architectural Association School of Architecture(AAスクール)が主催し、学生が現地の文化や自然環境を探求し、建築的視点から地域を理解するための貴重な学びの場となった。参加者は、AAスクールの講師、文化人類学 者、映像作家から指導を受け、台湾東海岸をフィールドワークし、その風景や文化、社会的背景を建築的に捉えた3分間の映像作品を制作し た。この過程を通じて、学生たちは現地の環境を多面的に理解し、建築デザインの新たな表現手法を学んだ。

プログラムの主題と目的
ワークショップのテーマである「海からの都市性:見えない都市」は、都市と海との関係性に着目し、移動と定住の境界が形成する都市空 間を探ることを目的としていた。特に、台湾東海岸の風光明媚な景観の背後に隠された歴史的な対立や社会的な矛盾に注目し、それらを建築的な視点で分析し、表現することが中心課題であった。台湾東海岸は、太平洋に面し、高い山々と豊かな自然環境に囲まれている一方で、 軍事基地やデータセンターといった現代的なインフラも存在している。このように複雑な地政 学的背景を持つ地域特性を学生たちがどのように解釈し、映像として表現するかが、本ワークショップの大きな挑戦であった。

プログラムの進行と活動内容
ワークショップは、参加者によるフィールドワークとグループ作業を軸に進行した。8月12日に宜蘭市に集合し、蘭陽博物館や頭城海底ケーブル基地などを訪問した。学生たちは、それぞれの場所で観察を行い、地域の特性や歴史的背景を学んだ。8月13日から15日には、南方澳漁港 や宜蘭伝統工芸センターなど、地域の生活文化や産業に焦点を当てた見学を行い、現地の専門家によるレクチャーを受けることで、地域理解を深めた。また、各日の夕方から深夜にかけてはグループディスカッションを行い、フィールドワークで得た情報をもとに、映像制作に向けた アイデアを共有し、編集作業を進めた。8月16日には新城郷に移動し、文化商業施設「山海百貨」にて中間講評が行われ、映像作品を発表し、講師陣からフィードバックを受けた。さらに、8月16日から8月17日までは新城郷で、8月18日から21日には花蓮市でフィールドワークを行い、学生たちは自由に調査を進め、 撮影した映像をグループごとにまとめた。花蓮市では日本移民村や馬太鞍湿地、光復砂糖工場などの訪問を通じて、学生たちは地域の歴史や環境を観察し、それを映像として表現した。そして、8月22日には花蓮市内のRe:baseにて最終講評が行われ、各グループが制作した映像作品を発表した。その後、8月24日には花蓮文創園区にて作品展が開かれ、一般来場者にも公開された。

