Project.21
koyasan STUDIO
Invisible Koyasan
― 素材・記憶・身体から都市を読む ―

Workshop / Koyasan / 2025.9.2-5
2025年9月、建築家・竹村優里佳氏(Yurica Design & Architecture)をゲストに迎え、和歌山県・高野山にて建築インスタレーションワークショップを実施しました。竹村氏が実践する「既にあるものへの再解釈」や「テクノロジーと素材との融合」を出発点とし、高野山という宗教都市に内在する“見えないもの”を、建築的な空間体験として表現する試みです。具体的には、3Dスキャナを用いて、「空間の記憶」「素材が刻んだ時間」「巡礼の身体性」を可視化・編集し、空間インスタレーションを構想しました。

■ テーマ
見えない都市、高野山 — 高野山という“都市”の不可視のレイヤーを捉え、空間として翻訳せよ。
本企画は、高野山という場に漂う気配・時間・祈り・身体の軌跡など、可視化されていない都市的現象をとらえるプロジェクトです。ここでの「都市」という語は、インフラの集合体としてではなく、人々の行為や記憶、制度、儀礼、素材、空間構成が編み上げる“共同体”として用いています。高野山においては、それが宗教都市であり、山上の共同体でもあり、巡礼者たちの身体によって編まれ続けてきた「見えない都市性」なのです。
■ テクノロジーによる空間の再解釈
本演習では、3Dスキャナを用い、歩きながら空間をスキャンし、身体と素材、場の構成を点群データとして記録します。この作業を通じて、空間に対する新たな設計的視座を養います。

■ リサーチの軸
以下の4つの視点からフィールドワークを行い、空間の「見えない構造」をとらえます。
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時間感覚:鐘の音、朝の湿度、光と影の遷移
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素材と記憶:町石道、霊木、石垣、木造建築の経年変化
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宿坊建築:もてなしと祈り、世俗と宗教が重なる空間構成
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巡礼の身体性:歩く、立ち止まる、見上げるといった動作が空間と呼応する仕組み
■ 主な調査対象エリア
大門/中門/壇上伽藍/金剛峯寺/奥之院/町石道/宿坊建築など
■ ワークショップ構成
日程:2025年9月2日(火)〜5日(金)
場所:和歌山県・高野山
宿泊:宿坊
対象:近畿大学建築計画研究室 3年生+4年生
特別講師:竹村優里佳(Yurica Design & Architecture)
形式:フィールドリサーチ/素材観察/点群スキャン/空間構想/プロトタイプ制作
■ 4日間の流れ
◼ Day 1|高野山を歩いて読む
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高野山集合→自由探索
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見学ツアー(大門〜壇上伽藍〜金剛峯寺)
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宿坊チェックイン→宿坊建築の観察
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夜の共有会:高野山の都市空間の中の“目に見えない構造”を言葉にする

◼ Day 2|高野山の素材を感じ、記録する
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早朝勤行
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高野山内の様々な空間を3Dスキャナでスキャン
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自由探索(伝統産業に携わる職人や、僧侶へのヒアリング)
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インスピレーションの整理

◼ Day 3|構想・プロトタイプ制作
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個々でインスタレーション案を構想
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スケッチ・素材スタディ・模型(+デジタル編集)
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中間エスキース+最終発表準備

◼ Day 4|高野山に返す
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成果発表/クロージング
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高野山出発

■ その後の展開
現地での体験とスキャンデータ、素材メモ、ヒアリング記録をもとに、秋以降のゼミ活動でインスタレーション制作へと展開。「容易には見えづらい高野山の姿」を表現する空間インスタレーションとして具現化していきます。制作物は、高野山や他地域での展示・設置を視野に入れます。
■ 感じ、思考する余白

■ 自然と朱色(ヒト)の世界

■ “自然と人” “内と外”から見る高野山

■ 奥の院から見える墓地の都市性

■ 思考の参道

